雇用保険 適用事業所設置届の書き方|提出期限・設置年月日・添付書類

この記事の要点

雇用保険の対象となる従業員を初めて雇ったときの適用事業所設置届について、10日以内の期限、設置年月日、労働保険番号、資格取得届との違い、事業実態を確認する添付書類を整理します。

「雇用保険 適用事業所設置届」は、雇用保険の対象となる従業員を初めて雇った事業所を、ハローワークへ登録するための会社側の書類です。

従業員本人を登録する「雇用保険被保険者資格取得届」とは別の書類です。初回は、労働保険の成立手続を済ませた後、設置届と最初の資格取得届を併せて確認します。

この記事は2026年9月4日時点の厚生労働省・労働局・ハローワークの案内を基にしています。事業実態を確認する添付書類は管轄のハローワークによって追加指定されることがあります。

設置届が必要になるとき

厚生労働省は、雇用保険の適用対象となる労働者を初めて雇い入れた場合に、保険関係成立の手続後、事業所設置届と被保険者資格取得届を提出するよう案内しています。

2026年9月時点では、原則として次の両方を満たす労働者が雇用保険の対象です。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 同一の事業主に31日以上雇用される見込みがある

役員しかいない会社では通常、雇用保険の設置届を提出しません。代表取締役や取締役は原則として被保険者にならず、従業員としての身分も持つ兼務役員は勤務実態や指揮命令関係などから別に判断します。

雇用保険の対象にならない短時間労働者しかいない場合でも、労災保険の成立手続は必要になることがあります。労働保険と雇用保険を同じ対象者だと思わず、最初の従業員の勤務条件を確認してください。

会社設立前や採用前には提出できない

設置届は、将来の採用予定だけでは提出できません。東京ハローワークの案内では、実際に従業員を雇用する前に提出することはできず、雇用した日以降に手続を行うとされています。

会社の設立登記日、事業の開始年月日、雇用保険の設置年月日は同じとは限りません。役員だけで会社を始め、後から雇用保険の対象となる従業員を初めて雇った場合は、その従業員を雇い入れて雇用保険の適用事業となった日を設置年月日の基準にします。

設置年月日は、労働保険保険関係成立届の「成立年月日(雇用)」と一致させます。日付を誤って提出した場合は訂正できる案内がありますが、提出したハローワークへの相談が必要になるため、雇用契約書や出勤簿で最初の雇入日を確認します。

提出期限と手続の順番

適用事業に該当したときは、原則としてその翌日から10日以内に、事業所所在地を管轄するハローワークへ設置届を提出します。

一般の会社・店舗などの一元適用事業では、次の順番で確認すると番号や添付書類の混同を防げます。

  1. 労働基準監督署へ「労働保険 保険関係成立届」を提出する
  2. 発行された労働保険番号を事業主控で確認する
  3. 「労働保険 概算保険料申告書」を申告し、保険料を納付する
  4. ハローワークへ「雇用保険 適用事業所設置届」を提出する
  5. 最初の従業員の「雇用保険 被保険者資格取得届」を提出する

設置届の10日以内という期限と、資格取得届の「被保険者となった月の翌月10日まで」という期限は異なります。設置届だけを出して従業員本人の登録を忘れないよう、初回は両方を一緒に準備します。

建設、農林水産、港湾運送、都道府県・市区町村などの二元適用事業では、雇用保険分の保険関係成立届や概算保険料申告書をハローワークへ提出するなど、順番と提出先が変わります。

事業所番号と労働保険番号は別の番号

番号いつ確認できるか使用する主な書類
法人番号法人設立後に国税庁から指定される13桁設置届の法人番号欄
労働保険番号保険関係成立届の提出後に割り振られる設置届の労働保険番号欄
雇用保険事業所番号設置届が受理された後にハローワークから付与されるその後の資格取得・喪失・変更届など
雇用保険被保険者番号従業員本人ごとに原則1つ付与される本人の資格取得届など

初回の設置届を作る段階では、雇用保険事業所番号はまだ発行されていません。労働保険番号や法人番号を代わりに入力せず、ハローワークが記載する欄は空欄として扱います。

主な記入項目

項目確認する内容
法人番号法人は13桁。個人事業では記入しない
事業所名称カタカナ欄と漢字欄を分け、実際の事業所名を記入する
事業所所在地実際に事業を行う場所を、市区町村、番地、建物名に分ける
設置年月日雇用保険の適用事業となった日。採用予定日ではない
労働保険番号保険関係成立届の事業主控に記載された番号を転記する
事業の概要定款の目的を並べず、実際に行う主な事業を具体的に書く
事業の開始年月日事業を実際に開始した日。設置年月日とは別に確認する
労働者数常時使用する労働者数と雇用保険被保険者数を分ける
賃金支払関係賃金締切日、当月・翌月の別、支払日を就業規則等と一致させる
担当者雇用保険の連絡を受ける部署名・担当者を確認する

事業所名称のカタカナ欄では、数字を使わずカタカナと長音記号で記入する案内があります。所在地は都道府県、市区町村・町名、丁目番地、建物名の区切りが帳票上で決められているため、一つの欄へ住所全体を詰め込まないようにします。

設置届には裏面があり、最寄り駅やバス停から事業所までの略図などを記入します。表面だけを印刷して提出しないよう、両面と印刷倍率を確認してください。

主な添付・確認書類

設置届では、会社が実在し、事業を行い、従業員を実際に雇っていることを確認できる資料が求められます。一般に次の資料を準備します。

  • 労働基準監督署で受理された保険関係成立届と概算保険料申告書の事業主控
  • 法人の登記事項証明書。個人事業は住民票や開業を確認できる資料
  • 賃貸借契約書、公共料金の請求書・領収書など事業所所在地を確認できる資料
  • 営業許可書、取引契約書、請求書など事業実態を確認できる資料
  • 労働者名簿
  • 出勤簿、タイムカード、作業日報など
  • 賃金台帳
  • 雇用契約書または労働条件通知書

登記上の本店と実際の事業所所在地が違う場合や、設立直後で取引実績が少ない場合は、追加の資料を求められることがあります。資料の発行期限や必要部数も含め、管轄のハローワークの案内を確認してください。

本店・支店をどう扱うか

雇用保険は、経営組織として独立性を持つ事業所単位で適用されます。離れた場所にある支店・営業所でも、人事、経理、経営管理などに独立性があれば、個別の事業所として設置手続を確認します。

反対に、独立性のない小規模な出張所などは、ハローワークの承認を受けて本社等で一括して手続する「事業所非該当」の対象になることがあります。所在地が別という理由だけで新しい設置届を作らず、労働者名簿・賃金計算・指揮監督をどこで管理しているかを整理します。

よくある間違い

  • 役員しかいない会社で、社会保険と同じように雇用保険の設置届も作る
  • 雇用保険の対象となる従業員を雇う前に、採用予定だけで提出する
  • 会社設立日、事業開始日、雇用保険の設置年月日をすべて同じ日にする
  • 初回から未発行の雇用保険事業所番号を必須だと思って入力する
  • 設置届だけを提出し、最初の従業員の資格取得届を忘れる
  • 登記簿だけを用意し、出勤簿・賃金台帳・雇用契約書を準備しない
  • 支店の独立性を確認せず、事業所を重複して設置する
  • 表面だけを印刷し、裏面の案内図や必要事項を確認しない

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読んだあとの確認

この記事と一緒に確認

自社の状況に当てはめるときに迷いやすい点と、次に進めるページをまとめました。

よくある質問

役員だけの会社も雇用保険の設置届が必要ですか?
通常は必要ありません。法人役員は原則として雇用保険の被保険者にならないため、雇用保険の対象となる従業員を初めて雇った時点で確認します。
設置年月日は会社の設立登記日と同じですか?
必ずしも同じではありません。役員だけだった会社が後から対象従業員を雇った場合は、雇用保険の適用事業になった実際の日を確認します。
雇用保険事業所番号が未発行でも提出できますか?
設置届の受理後に付与される番号なので、初回から入力するものではありません。先に発行された労働保険番号と混同せず、未発行欄は空欄として扱います。

迷いやすいポイント

  • 最初の従業員が週20時間以上・31日以上の雇用見込みなどの対象条件を満たすか確認します。
  • 会社設立日、事業開始日、雇用保険の設置年月日を根拠資料から分けて確認します。
  • 成立届の事業主控、登記事項証明書、事業実態資料、雇用関係資料を準備します。

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