勤務時間が変わったときの社会保険・雇用保険手続き
この記事の要点
勤務時間や勤務日数の変更で、社会保険・雇用保険の加入、喪失、区分変更が必要になる場合を、主な判定基準とともに整理します。
パート・アルバイトを含む従業員の勤務時間や勤務日数を変更したときは、給与額だけでなく、社会保険と雇用保険の加入条件を改めて確認します。条件をまたぐ変更では、資格取得・資格喪失・区分変更の届出が必要になることがあります。
この記事は2026年9月4日時点の公式情報を基にしています。短時間労働者の適用範囲は段階的な改正が予定されているため、変更日が近い場合は公式ページの最新条件も確認してください。
まず変更前と変更後を分けて確認する
次の内容を、変更前と変更後の両方について整理します。
- 1週間の所定労働時間
- 1か月の所定労働日数
- 雇用期間の見込み
- 学生かどうか
- 所定内賃金
- 正社員など通常の労働者の勤務時間・勤務日数
- 会社が特定適用事業所または任意特定適用事業所か
残業など一時的な実績だけでなく、雇用契約書や就業規則で定めた所定労働時間が基本です。ただし、実際の労働時間が一定期間継続して基準を超える場合は、実績による判定が必要になることがあります。
社会保険は最初に4分の3基準を確認する
通常の労働者と比べて、週の所定労働時間と月の所定労働日数がどちらも4分の3以上なら、原則として健康保険・厚生年金保険の加入対象です。
4分の3未満でも、厚生年金保険の被保険者数が常時51人以上の企業などの特定適用事業所や、任意特定適用事業所で働く短時間労働者は、週20時間以上、学生ではない、2か月を超える雇用見込みなどの要件を満たすと加入対象になる場合があります。
2026年9月30日までは、所定内賃金が月額8.8万円以上かも確認します。日本年金機構は、この賃金要件を2026年10月に撤廃予定と案内しています。会社規模の要件も今後段階的に変わるため、変更日時点の条件を確認してください。
条件を満たすようになった場合
新たに加入対象となったときは「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を確認します。
条件を満たさなくなった場合
加入資格を失う変更なら「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」を確認します。単月だけ勤務が少なかった場合と、契約自体を変更した場合は分けて考えます。
一般被保険者と短時間労働者の区分だけが変わる場合
加入を続けたまま区分が変わるときは「被保険者区分変更届」の対象になることがあります。
一般被保険者と短時間労働者の間で区分が変わる場合は、社会保険 被保険者区分変更届の書き方で、変更年月日や5日以内の期限を確認できます。
雇用保険は週20時間と雇用見込みを確認する
雇用保険は、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用される見込みがある場合に加入対象です。
勤務時間の増加で条件を満たした場合は資格取得、減少で条件を満たさなくなった場合は資格喪失の届出を確認します。昼間学生や季節的雇用など、例外に当たる場合は個別確認が必要です。
入力前に準備する情報
- 変更日と変更理由
- 変更前後の雇用契約書
- 週の所定労働時間と月の所定労働日数
- 通常の労働者の所定労働時間と所定労働日数
- 雇用期間、学生区分、所定内賃金
- 会社全体の厚生年金保険の被保険者数
- 現在の社会保険・雇用保険の加入状況
よくある間違い
- 社会保険と雇用保険を同じ条件だと考える
- 週20時間だけを見て、4分の3基準や会社規模を確認しない
- 一時的な残業の増減と、契約上の勤務時間変更を混同する
- 加入を続ける区分変更と、資格取得・資格喪失を取り違える
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