社会保険の資格喪失届の書き方|退職日・資格喪失日・提出期限

この記事の要点

従業員や役員が退職したときの健康保険・厚生年金保険の被保険者資格喪失届について、資格喪失日の考え方、5日以内の提出期限、返却物と添付書類を整理します。

従業員や役員が退職し、健康保険・厚生年金保険の資格を失うときは、会社が「被保険者資格喪失届」を提出します。退職日と資格喪失日は同じ日ではありません。ここを取り違えると返戻の原因になるため、最初に日付を分けて確認します。

この記事は2026年9月4日時点の日本年金機構の案内を基にしています。健康保険組合へ加入している事業所や、退職以外の理由で資格を失う場合は、加入先の案内も確認してください。

資格喪失届を提出するケース

健康保険・厚生年金保険に加入していた人が、次のような理由で加入条件を満たさなくなったときに提出します。

  • 従業員が退職した
  • 役員が退任し、会社との使用関係が終わった
  • 雇用契約や勤務条件が変わり、社会保険の加入基準を満たさなくなった
  • 被保険者が死亡した
  • 75歳になり健康保険の資格を失った

70歳以上の人が退職する場合も同じ様式を使い、「70歳以上被用者不該当届」として必要事項を確認します。雇用保険の資格喪失届は別の手続なので、社会保険の届出だけで退職手続が完了するとは限りません。

提出期限は事実発生から5日以内

事業主は、資格喪失の事実が発生してから5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出します。提出方法は電子申請、郵送、窓口持参です。

退職者本人ではなく会社が提出する届出です。退職が決まった段階で、退職日、資格確認書等の交付状況、扶養家族分の返却物を確認しておくと、退職後の回収待ちを減らせます。

退職日と資格喪失日の違い

退職による資格喪失日は、原則として退職日の翌日です。

たとえば3月31日付けで退職した場合、資格喪失日は4月1日です。3月31日を最終出勤日としても、会社と本人が合意した退職日が4月10日なら、通常の資格喪失日は4月11日になります。最終出勤日、給与の締切日、最後の給与支払日ではなく、退職日を基準にします。

資格を失う理由によって日付の考え方は変わります。

資格を失う理由資格喪失日
退職退職日の翌日
死亡死亡日の翌日
75歳到達による健康保険の喪失75歳の誕生日当日
雇用契約変更で加入条件を満たさなくなった契約変更の当日
転勤転勤の当日

記入前に確認する情報

  • 会社の事業所整理記号と事業所番号
  • 本人の被保険者整理番号、氏名、生年月日
  • マイナンバーまたは基礎年金番号
  • 退職日と、その翌日の資格喪失日
  • 資格喪失の理由
  • 返却できる資格確認書等の種類と枚数
  • 70歳以上被用者、二以上事業所勤務、継続再雇用などの該当有無

「喪失年月日」には資格を失う日を入力し、「喪失原因」が退職や死亡の場合は、退職日または死亡日も入力します。退職日と資格喪失日に同じ日を入れるのは、日本年金機構が案内している代表的な記入誤りです。

資格確認書等の返却と添付書類

協会けんぽの加入者に資格確認書、高齢受給者証、特定疾病療養受療証、限度額適用認定証などが交付されている場合、本人分と扶養家族分を会社が回収し、資格喪失届に添付します。マイナンバーカードそのものは回収しません。

紛失などで資格確認書を回収できない場合は、「健康保険 資格確認書回収不能届」を添付します。回収できないまま何も記載せず提出するのではなく、本人・家族の誰の資格確認書を返せないかを確認します。

健康保険組合に加入している事業所は、日本年金機構への添付が原則不要と案内されていますが、健康保険組合側の返却手続は別に確認してください。

60歳以上の継続再雇用は資格取得届も確認する

60歳以上の人が退職後、1日も空けずに同じ会社へ再雇用される場合は、一定の条件で資格喪失届と資格取得届を同時に提出する取り扱いがあります。

この場合は、資格喪失届の備考で継続再雇用に該当することを示し、退職と再雇用を客観的に確認できる書類を添付します。具体例は次のとおりです。

  • 退職辞令や就業規則など、退職日を確認できる書類
  • 雇用契約書や労働条件通知書など、継続再雇用を確認できる書類
  • 退職日と再雇用日を記載した事業主の証明書

資格喪失届だけを提出すると、再取得の処理が不足します。通常の退職とは分けて確認してください。

よくある不備と確認方法

  • 退職日と資格喪失日へ同じ日を入力する
  • 最終出勤日を退職日だと思い込む
  • 退職した本人分だけ確認し、扶養家族分の資格確認書等を確認しない
  • 回収できない資格確認書があるのに回収不能届を付けない
  • 60歳以上の継続再雇用で、資格取得届や確認書類を付けない
  • 社会保険の資格喪失届だけで、雇用保険の退職手続も終わったと思う

退職日の確定、資格喪失日の計算、返却物の回収、例外の確認という順番で進めると、記入漏れを減らせます。

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自社の状況に当てはめるときに迷いやすい点と、次に進めるページをまとめました。

よくある質問

社会保険の資格喪失日は退職日と同じ日ですか?
同じ日ではありません。退職による資格喪失日は原則として退職日の翌日です。最終出勤日や給与の締切日とも別なので、会社と本人で確定した退職日を基準にします。
資格確認書を退職者から返してもらえない場合はどうしますか?
紛失などで回収できないときは、資格喪失届へ「健康保険 資格確認書回収不能届」を添付します。本人分だけでなく、扶養家族へ交付された分も確認してください。
60歳以上の人を退職後すぐ再雇用するときも資格喪失届だけですか?
資格喪失届だけではありません。1日も空けずに継続再雇用する一定の取り扱いでは、資格取得届を同時に提出し、退職日と再雇用日を確認できる書類も添付します。

迷いやすいポイント

  • 会社と本人で確定した退職日と、その翌日の資格喪失日を分けて確認します。
  • 本人と扶養家族へ交付された資格確認書等の種類・枚数・回収状況を確認します。
  • 社会保険とは別に、雇用保険の資格喪失届や離職証明書の要否も確認します。

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