従業員が退職したときの手続き一覧|資格喪失・離職票の期限

この記事の要点

従業員の退職時に会社が行う社会保険の資格喪失、雇用保険の資格喪失・離職票、資格確認書の回収、退職証明書などを期限順に整理します。

結論:退職日と資格喪失日を分けて管理します

従業員が退職するときは、最終出勤日ではなく「雇用関係が終了する退職日」を確定し、その日から各手続きの期限を管理します。

健康保険・厚生年金保険では、月末退職などの場合を除き、原則として退職日の翌日が資格喪失日です。雇用保険も、被保険者でなくなった日を基準に期限を数えます。

退職理由や離職票の記載は、失業給付の扱いに影響することがあります。本人と会社で認識が違う場合でも、都合のよい理由へ書き換えてはいけません。

退職日までに確認すること

  • 退職日と最終出勤日
  • 自己都合、定年、契約期間満了、解雇などの退職理由
  • 有給休暇の最終取得日
  • 雇用保険の離職票を希望するか
  • 本人・被扶養者に資格確認書等が交付されているか
  • 会社から貸与したPC、鍵、カード、書類などの返却
  • 未払い賃金、立替金、退職金の有無
  • 退職証明書を希望するか

離職時に59歳以上の人は、本人が離職票を希望しない場合でも、原則として離職証明書の提出が必要です。

主な手続きと期限

手続き期限提出先・対応先主な確認資料
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届事実発生から5日以内事務センターまたは年金事務所退職日、資格喪失日、資格確認書等
雇用保険 被保険者資格喪失届被保険者でなくなった事実の翌日から10日以内管轄ハローワーク労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、退職関係資料
雇用保険 被保険者離職証明書原則として資格喪失届と同じ期限管轄ハローワーク賃金支払状況、離職理由の確認資料
退職証明書本人から請求された場合、遅滞なく本人へ交付本人が証明を求めた項目だけを記載
給与所得の源泉徴収票中途退職者へ退職後1か月以内本人へ交付その年に支払った給与・源泉徴収税額等

税務・住民税の手続きは、社会保険・雇用保険とは別に確認してください。

資格喪失日を間違えやすい例

3月31日退職であれば、原則として資格喪失日は4月1日です。3月30日退職であれば、原則として3月31日が資格喪失日です。

月末退職かどうかは社会保険料の扱いにも影響するため、「最終出勤日」「給与計算上の締日」「退職日」を混同しないようにします。

死亡、契約変更により加入基準を満たさなくなった場合、60歳以上の退職後継続再雇用などは、通常の退職と異なる届出になる場合があります。

資格確認書等の回収

協会けんぽの資格を喪失する人に資格確認書、高齢受給者証、限度額適用認定証などが交付されている場合、本人と被扶養者分を回収し、資格喪失届に添付します。

マイナ保険証として利用しているマイナンバーカードそのものを会社が回収することはありません。

回収できない資格確認書等がある場合は、回収不能届が必要になることがあります。

離職票と退職証明書は別の書類です

離職票は、ハローワークが失業等給付の手続きに使う書類です。退職証明書は、労働者が請求した場合に、使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職理由などのうち、本人が求めた事項を会社が証明する書類です。

離職票を渡しただけでは、退職証明書を交付する義務を果たしたことにはなりません。

また、本人から賃金や会社が預かっている金品の返還を請求された場合、争いのない部分は原則として7日以内に支払い・返還する必要があります。

よくある間違い

最終出勤日を退職日として処理する

有給休暇の消化期間がある場合、最終出勤日と退職日は異なります。退職日を示す退職届、合意書、辞令などと照合します。

離職理由を本人への配慮だけで変更する

離職理由は、客観的な事実と資料に基づいて記載します。本人との意見が異なる場合は、その相違も含めてハローワークの確認を受けます。

離職票が不要だと会社だけで判断する

本人の希望を確認します。59歳以上の離職者は希望の有無にかかわらず必要となる点にも注意します。

退職者本人だけの資格確認書を回収する

被扶養者に交付されている資格確認書等も確認します。

必要な届書を整理したいとき

退職理由、社会保険・雇用保険の加入状況、離職票の希望などによって必要書類は変わります。

自社で必要な手続きを整理したい場合は、テツヅキットの「役員・従業員が辞めた」無料診断で確認できます。テツヅキットは提出や申請を代行せず、利用者自身による手続確認と書類作成を支援します。

採用時の資格取得と退職時の資格喪失を対にして管理する場合は、従業員を雇ったときの手続き一覧も確認してください。

退職に伴って家族が健康保険の扶養から外れる場合は、今後公開予定の「扶養から外す手続き」もあわせて確認できる構成にします。

公式情報

制度の一般的な説明であり、個別の離職理由や法的判断を確定するものではありません。判断が難しい場合は、管轄の年金事務所、ハローワーク、労働基準監督署または専門家へ確認してください。

読んだあとの確認

この記事と一緒に確認

自社の状況に当てはめるときに迷いやすい点と、次に進めるページをまとめました。

よくある質問

社会保険の資格喪失日は退職日と同じですか?
原則として、退職日の翌日が資格喪失日です。最終出勤日や給与の締切日とは別なので、会社と本人で合意した退職日を基準に確認します。
退職する人が離職票を希望しない場合も作成が必要ですか?
59歳未満で本人が希望しない場合は、通常、離職証明書を省略できます。離職時に59歳以上の人は、本人の希望にかかわらず原則として提出が必要です。
退職時にマイナンバーカードを会社が回収しますか?
マイナンバーカードそのものは回収しません。会社は、本人や扶養家族へ交付されている資格確認書等があるかを確認し、必要な返納手続を行います。

迷いやすいポイント

  • 退職日、最終出勤日、資格喪失日を混同しないように確認します。
  • 役員の退任と従業員の退職では、対象になる届出が異なります。
  • 離職票の要否と健康保険の資格確認書等の回収を別々に確認します。

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