健康保険・厚生年金保険 新規適用届の書き方|会社設立後の期限・添付書類
この記事の要点
会社を設立して社会保険へ初めて加入するときの新規適用届について、対象となる会社、5日以内の期限、資格取得届との違い、主な記入項目、法人登記簿謄本などの添付書類を整理します。
「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」は、会社・事業所を社会保険の適用事業所として登録するための書類です。役員や従業員本人を加入させる「被保険者資格取得届」とは役割が異なります。
会社を設立しただけで書類を1枚出せば終わるわけではありません。会社側の新規適用届、加入する人ごとの資格取得届、扶養家族がいる場合の被扶養者(異動)届を分けて準備します。
この記事は2026年9月4日時点の日本年金機構の案内を基にしています。加入日や添付書類に迷う場合は、実際に事業を行う所在地を管轄する年金事務所でも確認してください。
新規適用届が必要になる会社
法人事業所は、健康保険・厚生年金保険の被保険者となる人が1人以上いる場合、原則として適用事業所です。従業員がいなくても、役員報酬を受けて常勤している代表者や役員が加入対象となる場合は、新規適用届と本人の資格取得届を確認します。
一方、無報酬の役員しかおらず、被保険者となる人がいない法人は、新規適用を受けることができないと日本年金機構が案内しています。「法人だから必ず提出」とだけ判断せず、報酬を受けて働く人がいるかを確認してください。
個人事業所は、常時5人以上の従業員を使用する法定業種の事業所などが強制適用の対象です。強制適用とならない個人事業所が加入を希望する場合は、新規適用届ではなく「任意適用申請書・同意書」を確認します。
提出期限は事実発生から5日以内
提出期限は、事業所が健康保険・厚生年金保険の加入要件を満たした事実が発生してから5日以内です。
会社の設立登記日、営業を始めた日、役員報酬の支給対象となった日、従業員を雇い入れた日が常に同じとは限りません。登記日をそのまま適用年月日へ写すのではなく、被保険者となる人との使用関係や報酬の開始状況から、実際に要件を満たした日を確認します。
提出先は、実際に事業を行う事業所所在地を管轄する事務センターまたは年金事務所です。登記上の本店所在地と実際の事業所が異なる場合は、実際の事業所所在地を基準にします。提出方法は電子申請、郵送、窓口持参があります。
新規適用届と同時に確認する書類
| 書類 | 役割 |
|---|---|
| 新規適用届 | 会社・事業所を社会保険の適用事業所として登録する |
| 被保険者資格取得届 | 加入対象となる役員・従業員を1人ずつ登録する |
| 被扶養者(異動)届 | 加入者の家族を健康保険の扶養へ入れる |
| 国民年金第3号被保険者関係届 | 条件を満たす配偶者について第3号の手続をする |
新規適用届だけを出しても、役員や従業員本人の加入手続は完了しません。反対に、まだ適用事業所となっていない会社で資格取得届だけを提出するものでもありません。会社側と個人側の書類を一組として確認します。
労働保険の保険関係成立届や雇用保険の適用事業所設置届は、社会保険とは別制度です。役員しかおらず労働者がいない会社では、通常、労働保険・雇用保険の会社側手続は行いません。従業員を雇った場合に改めて確認します。
主な記入項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 事業主・代表者 | 氏名とフリガナ。フリガナ漏れは再提出の原因になる |
| 事業所名称 | 法人登記や実際の事業所表示と一致する名称・フリガナ |
| 事業所所在地 | 実際に事業を行う場所の郵便番号、住所、電話番号 |
| 法人番号等 | 13桁の法人番号と区分。会社法人等番号12桁とは区別する |
| 事業の種類 | 日本年金機構の事業所業態分類票に沿って確認する |
| 現物給与 | 食事・住宅など、金銭以外で支給する報酬の有無 |
| 給与の締切日・支払日 | 就業規則や役員報酬の決定内容と一致させ、月末は「末日」とする |
| 従業員数・加入者数 | 役員、正社員、短時間労働者などの実態から整理する |
| 所定労働日数・時間 | 就業規則、雇用契約、会社の通常の勤務条件を確認する |
事業所名称や住所は、略称ではなく根拠書類と照合します。実際の所在地と登記上の所在地が異なるときは、所在地を確認できる資料も準備してください。
法人事業所の主な添付書類
法人事業所では、原則として次の資料を準備します。
- 提出日からさかのぼって90日以内に発行された法人(商業)登記簿謄本の原本
- 法人番号指定通知書のコピー
- 法人番号指定通知書を用意できない場合は、国税庁法人番号公表サイトの法人情報を印刷したもの
- 実際の事業所所在地が登記上の所在地と異なる場合は、賃貸借契約書のコピーなど所在地を確認できる資料
登記簿謄本は古いものやコピーではなく、発行日と原本であることを確認します。法人番号欄へ法人番号を記入する場合は、法人番号を確認できる資料も忘れないようにします。
強制適用となる個人事業所では、個人番号の記載がなく、提出日から90日以内に発行された事業主世帯全員の住民票の原本など、法人とは異なる資料が必要です。
事業所整理記号・事業所番号がまだない場合
初めて新規適用届を出す段階では、正式な事業所整理記号・事業所番号はまだ払い出されていません。存在しない番号を推測して入力しないでください。
新規適用届を提出した後、番号が払い出される前に資格取得届や被扶養者(異動)届を電子申請する場合、日本年金機構は2026年3月から専用の仮入力方法を案内しています。e-Govの単票形式では、所在地の都道府県コード、郡市区符号「00」、事業所記号「Z」、事業所番号「99999」を使用します。処理完了後の申請では、適用通知書に記載された正式な番号を使用します。
紙で提出する場合や申請ソフトの方式が異なる場合まで、同じ仮入力を自己判断で使わないようにしてください。提出方法に合った日本年金機構の案内を確認します。
返戻を防ぐための確認
日本年金機構は、新規適用届で特に多い不備として、添付書類の不足と事業主・代表者氏名のフリガナ漏れを案内しています。
提出前に次を確認してください。
- 被保険者となる人がいない会社の新規適用届になっていないか
- 適用年月日を設立登記日だけで決めていないか
- 代表者氏名のフリガナを記入したか
- 登記簿謄本が90日以内に発行された原本か
- 法人番号を13桁で確認し、必要な確認資料を添付したか
- 登記住所と実際の事業所所在地が異なる場合の資料があるか
- 資格取得届や扶養関係の届出も一緒に確認したか
- 労働保険・雇用保険の書類と混同していないか
入力前に準備するもの
- 法人登記簿謄本、法人番号を確認できる資料
- 実際の事業所名称・所在地・電話番号
- 代表者氏名・フリガナ・住所
- 事業を始めた日と社会保険の加入要件を満たした日
- 給与の締切日、支払日、主な給与計算方法
- 現物給与の有無
- 従業員数、社会保険へ加入する役員・従業員数
- 通常の所定労働日数と所定労働時間
- 加入者ごとの資格取得届、扶養家族がいる場合の扶養情報
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