国民年金 第3号被保険者関係届の書き方|対象者・5日の期限・添付書類
この記事の要点
会社員・役員等の配偶者を国民年金第3号被保険者にするときの届出について、20歳以上60歳未満などの要件、健康保険の扶養との違い、5日以内の期限、該当・非該当の日付、収入と続柄の確認書類を整理します。
「国民年金 第3号被保険者関係届」は、厚生年金保険に加入している人に扶養される配偶者が、国民年金の第3号被保険者になったときや、該当しなくなったときなどに使用する書類です。
協会けんぽでは「健康保険 被扶養者(異動)届」と一体になった様式が使われますが、健康保険の扶養と国民年金第3号は同じ制度ではありません。子や親は健康保険の被扶養者になっても第3号にはならず、第3号の対象は一定の要件を満たす配偶者です。
この記事は2026年9月4日時点の日本年金機構の案内を基にしています。扶養認定は収入の種類、同居・別居、健康保険の運営者などによって確認書類が変わるため、勤務先の担当者や加入する健康保険の案内も確認してください。
第3号被保険者になる主な要件
日本年金機構は、主な要件として次の3点を案内しています。
- 原則として日本国内に住んでいること
- 20歳以上60歳未満であること
- 厚生年金保険に加入する配偶者に扶養され、原則として年収130万円未満であること
年収が130万円未満でも、自分の勤務先で厚生年金保険の加入要件に当てはまる場合は、自分自身が第2号被保険者になるため、第3号には該当しません。年収だけで判断せず、労働時間、勤務日数、雇用期間、勤務先の規模なども確認します。
海外赴任する配偶者に同行するなど、日本国内に住所がなくても日本国内に生活の基礎があると認められる場合は、海外特例要件の届出により第3号になれることがあります。単に海外に住んでいるだけでは足りないため、渡航目的と期間を示す資料を準備します。
健康保険の扶養・税法上の扶養との違い
| 制度 | 主な対象 | 手続の意味 |
|---|---|---|
| 健康保険の被扶養者 | 配偶者、子、親など一定の親族 | 扶養家族として健康保険の給付を受ける |
| 国民年金第3号被保険者 | 20歳以上60歳未満の被扶養配偶者 | 本人が国民年金保険料を個別に納めず、年金加入期間として扱われる |
| 税法上の配偶者控除・扶養控除 | 所得要件などを満たす親族 | 所得税・住民税の計算に関係する |
税法上の扶養に入っているだけで、第3号の手続が自動的に終わるわけではありません。反対に、税法上の控除対象でないことだけを理由に第3号から直ちに外れるとも限りません。制度ごとの基準で確認します。
いつ、誰が、どこへ提出するのか
新たに被扶養者として認定を受ける場合、提出時期は事実発生から5日以内です。第3号になる配偶者本人が年金事務所へ直接持参するのではなく、厚生年金保険に加入する配偶者の勤務先を通じて提出します。
一般的な流れは次のとおりです。
- 従業員または役員が、配偶者の扶養追加を勤務先へ申し出る
- 配偶者の年齢、収入見込み、続柄、同居・別居、国内居住を確認する
- 本人が届書へ必要事項を記入し、確認書類を勤務先へ提出する
- 事業主が事務センターまたは管轄の年金事務所へ届け出る
協会けんぽに加入している場合は、一体様式で健康保険の扶養追加と第3号の届出を同時に行います。健康保険組合など協会けんぽ以外に加入している場合は、健康保険の扶養手続を加入先へ行い、「国民年金第3号被保険者関係届」だけを日本年金機構へ提出する場合があります。
「該当」「非該当」「変更」を使い分ける
| 区分 | 代表的な場面 | 確認する日付 |
|---|---|---|
| 該当 | 婚姻、配偶者の退職、収入減などで扶養に入る | 実際に第3号の要件を満たした日 |
| 非該当 | 就職、収入増、離婚、死亡、60歳到達などで外れる | 実際に要件を満たさなくなった日 |
| 変更 | 氏名、生年月日、性別などの届出事項を直す | 変更または訂正の事実があった日 |
「被扶養者になった日」は届書を作った日ではありません。婚姻なら婚姻した日、退職なら退職後に扶養要件を満たした日など、実際の事実に基づきます。遡って届け出る場合は、扶養の事実を確認する追加書類が必要になることがあります。
配偶者が自分の勤務先で厚生年金保険に加入したときは、第3号から第2号へ変わります。収入が基準を超えたが厚生年金に加入しないときや、扶養する配偶者が退職したときなどは、第1号への切替手続が別に必要になる場合があります。勤務先の削除届だけで、その後の年金区分まで完了したと思わないようにします。
主な記入項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 事業所整理記号 | 勤務先の納入告知書や適用通知書で確認する |
| 被保険者氏名・生年月日 | 厚生年金保険に加入している配偶者の情報を書く |
| 配偶者の個人番号または基礎年金番号 | 本人確認書類や年金記録で確認する |
| 配偶者の住所 | 同居でも住民票上の住所を省略せず記入する |
| 被扶養者になった日・理由 | 婚姻、退職、収入減など実際の事実と一致させる |
| 職業 | 無職、パート、年金受給者など現在の状況を選ぶ |
| 今後1年間の収入見込み | 給与だけでなく年金や失業給付なども確認する |
| 同居・別居 | 別居の場合は仕送りの事実と金額も確認する |
収入欄は過去の年収だけでなく、届出時点から今後1年間の見込みを基準に確認します。障害年金、遺族年金、失業給付、傷病手当金、出産手当金など、税法上は非課税でも扶養認定では収入として確認されるものがあります。
主な添付・確認書類
状況により、次のような資料を準備します。
- 戸籍謄本・戸籍抄本、または条件を満たす住民票の写しなどの続柄確認書類
- 退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し
- 雇用保険受給資格者証・受給資格通知の写し
- 年金額改定通知書など現在の年金受取額が分かる書類
- 自営業・不動産収入がある場合の直近の確定申告書の写し
- 別居している場合の振込明細や通帳の写しなど仕送り確認書類
- 海外特例に該当する場合の渡航目的・期間を確認できる書類
被保険者と扶養される人の双方の個人番号を記入し、事業主が続柄を確認した旨を記載するなど、一定の条件を満たすと続柄確認書類を省略できる場合があります。税法上の控除対象者についても、事業主の確認により収入確認書類を省略できる場合があります。ただし、非課税収入の確認書類などは別途必要です。
よくある間違い
- 子や親を健康保険の扶養へ追加する際、第3号の対象にもする
- 年収130万円未満だけを見て、本人の厚生年金加入要件を確認しない
- 税法上の扶養と健康保険・国民年金の扶養を同じものとして扱う
- 「被扶養者になった日」に届書を作成した日を記入する
- 給与だけを収入に入れ、年金や失業給付などを確認しない
- 別居しているのに仕送りの記録を準備しない
- 海外に住む配偶者を、海外特例の確認なしに第3号として届け出る
- 扶養から外した後に必要な第1号への切替を確認しない
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