配偶者・子どもを健康保険の扶養に入れる手続きと必要書類
この記事の要点
結婚、出生、退職などで配偶者や子どもを健康保険の扶養へ入れる場合の条件、被扶養者(異動)届、5日以内の期限、収入・続柄確認書類を整理します。
結論:税金の扶養ではなく、健康保険の条件で確認します
配偶者や子どもを健康保険の扶養に入れるときは、従業員からの申告だけで決めず、続柄、収入見込み、同居・別居、他の健康保険への加入状況などを確認します。
協会けんぽに加入する事業所では、従業員が会社へ必要書類を出し、会社を通じて「健康保険 被扶養者(異動)届」を日本年金機構へ提出します。認定の届出期限は、原則として事実発生から5日以内です。
税法上の扶養親族と、健康保険の被扶養者は別の制度です。税金の扶養に入っているだけで、健康保険でも自動的に認定されるわけではありません。
どんなときに届出が必要か
- 従業員が入社し、扶養する家族がいる
- 結婚して配偶者を扶養に入れる
- 子どもが生まれた
- 家族が退職し、自分の健康保険の扶養へ入る
- 家族の収入や加入保険が変わり、扶養条件を満たすようになった
健康保険組合へ加入している会社では、健康保険部分の提出先や必要書類が組合ごとに異なることがあります。
主な認定条件
被扶養者には、原則として国内居住要件があり、被保険者によって主として生計を維持されていることが必要です。海外居住でも例外的に認定される場合があります。
収入の目安
一般的には、今後1年間の年間収入見込みが130万円未満であることが基準です。
- 60歳以上、または一定の障害がある人:180万円未満
- 扶養認定日が2025年10月1日以降で、19歳以上23歳未満の配偶者以外:150万円未満
同居の場合は原則として被保険者の年間収入の2分の1未満、別居の場合は被保険者からの仕送り額未満であることも確認します。
ここでいう年間収入は、前年の所得だけではなく、認定日以降の今後1年間の見込みです。給与だけでなく、失業給付、公的年金、傷病手当金、出産手当金なども収入に含まれる場合があります。
最終的な認定は保険者が行います。金額だけで自動的に決まるとは限りません。
2026年4月からの収入判定
2026年4月1日以降、給与収入のみで、労働条件通知書などから見込まれる年間収入が基準額未満であり、他の収入が見込まれない場合は、労働契約の内容を使って年間収入を判定できる取扱いが始まっています。
この取扱いを利用する場合は、労働条件通知書や雇用契約書と、「給与収入のみ」であることの申立てが必要です。契約期間が短い、労働時間が明確でない、給与以外の収入があるなどの場合は、この方法で認定できないことがあります。
必要になる主な書類
| 確認内容 | 主な書類例 |
|---|---|
| 続柄 | 戸籍謄本・抄本、住民票など |
| 退職により収入が減った | 退職証明書、雇用保険被保険者離職票の写し |
| 失業給付 | 雇用保険受給資格者証、受給資格通知の写し |
| 年金収入 | 年金額改定通知書など |
| 自営・不動産収入 | 直近の確定申告書の写し |
| 別居 | 振込明細、通帳写しなど仕送り額が分かるもの |
| 労働契約による判定 | 労働条件通知書等、給与収入のみの申立書 |
住民票や戸籍書類は、提出日からさかのぼって90日以内に発行されたものを求められる場合があります。双方のマイナンバー記載や事業主確認により、一部書類を省略できる場合もあります。
配偶者の場合は国民年金第3号も確認
健康保険の被扶養配偶者が20歳以上60歳未満で、厚生年金保険などの被保険者ではない場合、原則として国民年金第3号被保険者の届出も必要です。
配偶者が20歳未満または60歳以上など、第3号被保険者に該当しない場合は、健康保険の扶養届だけを提出する扱いになることがあります。
子どもなど配偶者以外の家族について、国民年金第3号被保険者関係届はありません。
よくある間違い
前年の所得証明だけで判断する
被扶養者の収入は、認定時点から今後1年間の見込みで判断するのが基本です。退職直後、失業給付受給中、年金受給中などは確認資料が変わります。
130万円だけを見て決める
年齢、続柄、同居・別居、被保険者の収入、仕送り、他の保険加入なども確認します。
税法上の扶養と混同する
税法上の控除対象かどうかと、健康保険の被扶養者認定は別です。
出生届を出せば健康保険にも自動登録されると思う
出生届とは別に、健康保険の被扶養者(異動)届が必要です。
必要書類を整理したいとき
扶養に入れる理由、続柄、年齢、収入、同居・別居によって必要書類は変わります。
自社で必要な手続きを整理したい場合は、テツヅキットの「扶養家族が増えた・減った」無料診断で確認できます。テツヅキットは被扶養者の認定を行ったり届出を代行したりするものではなく、利用者自身の手続確認と書類作成を支援します。
従業員の入社と同時に家族を扶養へ入れる場合は、従業員を雇ったときの手続き一覧も確認してください。
公式情報
制度の一般的な説明です。最終的な認定や個別の必要書類は、加入する健康保険、年金事務所または専門家へ確認してください。
