健康保険 被扶養者(異動)届の書き方|追加・削除・第3号
この記事の要点
健康保険の扶養家族を追加・削除するときの被扶養者(異動)届について、該当・非該当、異動日、年間収入、同居・別居、添付書類と国民年金第3号を整理します。
健康保険の「被扶養者(異動)届」は、家族を扶養へ追加するときだけの書類ではありません。扶養から外すときや、被扶養者の氏名などを変更するときにも使用します。配偶者の場合は、国民年金第3号被保険者の届出が同じ様式に含まれることがあります。
特に間違えやすいのは、税法上の扶養と健康保険の扶養を同じ基準で判断すること、現在の収入ではなく前年の所得だけを書くこと、別居なのに住所や仕送り資料を省略することです。
この記事は2026年9月4日時点の日本年金機構の案内を基にしています。協会けんぽ以外の健康保険組合などに加入している場合は、届出先や添付書類が異なることがあるため、加入先の案内も確認してください。
被扶養者(異動)届を使う3つの場面
| 届出の区分 | 主な場面 | 記入する日 |
|---|---|---|
| 該当 | 出生、婚姻、離職、収入減少などで扶養へ入れる | 実際に被扶養者となった日 |
| 非該当 | 就職、収入増加、離婚、死亡、75歳到達などで扶養から外す | 実際に被扶養者でなくなった日 |
| 変更 | 氏名、生年月日、性別などの記録を変更・訂正する | 変更または訂正の内容に応じて記入 |
提出日や会社が書類を作成した日を異動日にしないようにします。例えば、出生により子を追加する場合は生年月日、就職により扶養から外れる場合は就職した日が基準になります。
提出期限と提出先
協会けんぽの被保険者が家族を扶養へ追加する場合、事実発生から5日以内に、被保険者が事業主を経由して日本年金機構へ提出します。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、電子申請、郵送、窓口持参を利用できます。
扶養から外す届出は、就職や収入増加など非該当となる事実が発生した都度、速やかに行います。遡って削除すると医療費の精算が必要になることもあるため、会社は従業員からの申出待ちだけにせず、資格確認書等の回収も含めて確認します。
入力前にそろえる情報
- 被保険者の事業所整理記号、被保険者整理番号、氏名、生年月日
- 被保険者と扶養対象者の個人番号(マイナンバー)または基礎年金番号
- 扶養対象者の氏名・フリガナ、生年月日、続柄、職業
- 同居・別居の区分と住民票上の住所
- 被扶養者となった日、または被扶養者でなくなった日と理由
- 被保険者と扶養対象者の今後1年間の年間収入見込み
- 別居の場合の仕送り額、回数、送金記録
- 資格確認書の発行が必要か、削除時に返却する資格確認書等があるか
氏名・フリガナや住所は住民票と照合します。同居の場合も住所欄を省略せず、住民票上の住所を記入します。収入がない場合も、収入欄には0円と記入します。
年間収入は「今後1年間の見込み」で確認する
健康保険の年間収入は、原則として過去の所得ではなく、被扶養者となる時点から今後1年間の見込みで確認します。給与だけでなく、公的年金、障害年金、遺族年金、失業給付、傷病手当金、出産手当金なども含めます。
| 対象者 | 年間収入の主な基準 |
|---|---|
| 一般 | 130万円未満 |
| 60歳以上または一定の障害者 | 180万円未満 |
| 19歳以上23歳未満の配偶者以外(2025年10月1日以降の認定) | 150万円未満 |
19歳以上23歳未満かどうかは、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定します。学生であること自体は150万円基準の要件ではありません。配偶者はこの150万円基準の対象外です。
収入基準だけで決まるわけではありません。同居の場合は原則として被扶養者の収入が被保険者の収入の2分の1未満、別居の場合は被扶養者の収入が被保険者からの仕送り額未満であることも確認します。
2026年4月からの労働契約による確認
給与収入だけで他の収入が見込まれない人は、2026年4月1日以降、労働条件通知書や雇用契約書に記載された賃金から見込まれる年間収入が基準未満であるかを確認する取り扱いがあります。この方法を使う場合は、労働契約内容が分かる書類と「給与収入のみ」である旨の申立てを準備します。
続柄と収入を確認する添付書類
続柄確認には、原則として被扶養者の戸籍謄本・抄本、または一定条件を満たす住民票の写しを使用します。住民票や戸籍は提出日から90日以内に発行されたものを準備します。
被保険者と扶養対象者の双方の個人番号を届書へ記入し、事業主が続柄を確認した旨を記入するなど、所定の条件を満たす場合は続柄確認書類を省略できることがあります。単にマイナンバーを書いただけで自動的に省略できるわけではありません。
収入確認書類は状況に応じて変わります。
- 退職により収入要件を満たす:退職証明書または離職票の写し
- 失業給付を受けている、または受給終了:受給資格者証・受給資格通知の写し
- 年金を受給している:年金額改定通知書など
- 自営・不動産収入がある:直近の確定申告書の写し
- 障害年金、遺族年金など非課税収入がある:受取額が分かる通知書など
税法上の控除対象者で事業主確認欄を正しく記入した場合や、16歳未満の場合などは、収入確認書類を省略できることがあります。ただし、非課税収入がある場合などは別途資料が必要です。
別居の場合は住所と仕送りを両方確認する
別居の場合も住民票上の住所を記入します。さらに、送金者名、受取人名、金額が分かる通帳の写し、振込明細書、現金書留の控えなどを準備します。届書の備考には1回あたりの仕送り額を記入し、複数回送金する場合は回数も確認します。
16歳未満の人や16歳以上の学生については、仕送り証明を省略できる場合があります。現金を手渡しして記録が残っていない場合は確認できないため、継続的な送金記録を残します。
配偶者は国民年金第3号も確認する
厚生年金に加入する被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者は、原則として国民年金第3号被保険者の届出も確認します。子、父母、兄弟姉妹など配偶者以外は、第3号被保険者にはなりません。
健康保険の被扶養配偶者でも、20歳未満・60歳以上の場合や、扶養する被保険者が65歳以上で老齢基礎年金の受給資格を満たす場合など、第3号に該当しないことがあります。その場合は、備考欄へ「扶養届のみ」「3号届なし」など、第3号届が不要である旨を記載する方法が案内されています。
協会けんぽ以外の健康保険組合などでは、健康保険の扶養認定は加入先へ確認し、第3号被保険者関係届だけを日本年金機構へ提出する場合があります。
海外に住む家族は国内居住要件を確認する
被扶養者は原則として日本国内に住所が必要です。海外留学、海外赴任への同行など、日本国内に生活の基礎があると認められる海外特例要件に該当する場合は、理由を証明する書類と被扶養者現況申立書などを準備します。
就労目的や永住などに変わり海外特例要件を満たさなくなった場合は、海外居住のままでも扶養から外す届出が必要になります。
よくある記入・添付ミス
- 「該当」「非該当」「変更」を取り違える
- 被扶養者となった日・でなくなった日を提出日にする
- 個人番号または基礎年金番号を記入しない
- 収入がないため収入欄を空欄にする
- 非課税の年金や給付を年間収入から除く
- 同居の場合に住所を省略する
- 別居先の部屋番号や仕送り資料を省略する
- 続柄確認済みや事業主確認のチェックを忘れる
- 氏名のフリガナを記入しない
- 削除時に資格確認書等の返却を確認しない
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