労働保険 名称・所在地等変更届の書き方|10日期限・移転先の提出先
この記事の要点
会社名、事業所名、所在地、事業の種類などが変わったときに提出する労働保険 名称、所在地等変更届について、10日以内の期限、一元適用・二元適用ごとの提出先、管轄をまたぐ移転、記入項目を整理します。
「労働保険 名称、所在地等変更届」は、労働保険の保険関係が成立している事業について、事業主や事業所の名称・所在地、事業の種類などを変更したときに提出する届書です。会社の登記だけを変更した場合や、実際に事業を行う場所も移転した場合など、何が変わったのかを分けて記入します。
労働保険に加入していない役員だけの会社へ、住所変更を理由にこの届書を追加するものではありません。また、社会保険や雇用保険の登録は、この届書だけでは変更されません。
この記事は2026年9月4日時点の厚生労働省・労働局・ハローワークの案内を基にしています。一元適用・二元適用の区分や提出先に迷う場合は、移転後の労働基準監督署またはハローワークへ確認してください。
届出が必要になる変更
主に次の事項を変更したときに確認します。
- 事業主の住所(法人では本店所在地など)
- 事業主の氏名または名称
- 事業の名称
- 事業を行う所在地
- 事業の種類
法人の代表者が変わっただけで、会社名、所在地、事業の種類などに変更がない場合は、この変更届を提出する必要はないと案内されています。代表者変更と、法人名・本店所在地の変更を混同しないようにします。
「登記上の本店所在地」と「実際に労働者が働く事業所所在地」が異なる会社では、どちらの項目が変わったかを確認します。事業主住所と事業場所在地は別の変更事項として扱われるため、登記事項証明書と賃貸借契約書などを並べて確認すると安全です。
提出期限は変更日の翌日から10日以内
提出期限は、名称や所在地などを変更した日の翌日から数えて10日以内です。登記が完了した日、契約書を作成した日、届書を作る日ではなく、実際の変更日を基準にします。
例えば9月1日に事業所を移転した場合、原則として9月2日を1日目として数えます。休日を含む具体的な期限や期限を過ぎた場合の対応は、提出先へ確認してください。届出が遅れると、労働局からの通知や納付書が旧住所へ届くおそれがあります。
提出先は一元適用と二元適用で異なる
会社の多くは、労災保険と雇用保険をまとめて扱う「一元適用事業」です。建設業や農林水産業などには、労災保険と雇用保険を別に扱う「二元適用事業」があります。
| 事業の区分 | 労働保険の変更届の提出先 |
|---|---|
| 一元適用事業 | 原則として、移転後の所在地を管轄する労働基準監督署 |
| 二元適用事業の労災保険分 | 移転後の所在地を管轄する労働基準監督署 |
| 二元適用事業の雇用保険分 | 移転後の所在地を管轄するハローワーク |
一元適用事業で雇用保険にも加入している場合は、まず労働基準監督署へこの届書を提出し、次にハローワークへ「雇用保険 事業主事業所各種変更届」を提出する流れが案内されています。二元適用事業では、労災保険分と雇用保険分を分けて提出します。
管轄をまたぐ移転では番号を確認する
移転によって労働基準監督署の管轄が変わると、新しい労働保険番号が付与される場合があります。変更後の番号は、その後の年度更新、納付、各種届出で使用するため、返却された事業主控や通知を保管します。
同じ市内の移転でも、必ず同じ管轄とは限りません。郵便番号や市区町村名だけで判断せず、厚生労働省・労働局の所在地一覧で、移転後の住所を担当する労働基準監督署を確認してください。
主な記入項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 労働保険番号 | 現在使用している番号を申告書や通知書から転記する |
| 変更年月日 | 名称・所在地などが実際に変わった日を記入する |
| 変更前の情報 | 現在登録されている名称・所在地などと一致させる |
| 変更後の情報 | 変更した項目だけを所定欄へ記入する |
| 事業の種類 | 変更がある場合、実際の事業内容が分かるよう具体的に書く |
| 変更理由 | 移転、商号変更、事業内容変更など事実に合わせて書く |
| 事業主 | 法人名、所在地、代表者など提出日時点の内容を確認する |
公式の記入例では、変更後欄には変更した事項のみを記入する案内があります。所在地のフリガナはカタカナで入力し、英字を含む名称は所定のルールに従ってカタカナへ置き換えます。事業の種類が変わると労災保険率に影響する場合があるため、「サービス業」のような広い表現だけでなく、具体的な業務内容を確認します。
変更の事実を示す資料も準備する
添付・提示する資料は変更内容や提出先により異なります。法人の名称や本店所在地なら登記事項証明書、実際の事業所移転なら賃貸借契約書、公共料金の通知、税務関係書類など、変更前後と変更日を確認できる資料を準備しておくと確認が進みやすくなります。
届書だけで足りると決めつけず、移転後の提出先へ事前に確認します。電子申請を利用する場合も、添付ファイルの形式と事業主控の保存方法を確認してください。
雇用保険・社会保険は別に変更する
雇用保険の適用事業所を設置している場合は、労働保険の変更後に「雇用保険 事業主事業所各種変更届」も確認します。労働保険の変更届を出しても、ハローワークに登録された事業所名・所在地や求人票が自動的にすべて更新されるわけではありません。
健康保険・厚生年金保険に加入している事業所は、年金事務所へ「適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」を別に提出します。社会保険は原則5日以内で、管轄外移転の提出先も労働保険とは異なるため、3制度を一つの届書で済ませないようにします。
よくある間違い
- 労働保険を設置していない役員だけの会社にも変更届を作る
- 社会保険の所在地変更届だけで労働保険も変わると思う
- 一元適用・二元適用を確認せず、提出先を一つに決める
- 移転前の管轄へ提出し、移転後の管轄を確認しない
- 登記日や届書作成日を変更年月日として記入する
- 代表者だけの変更にも名称、所在地等変更届を提出する
- 事業内容が変わったのに、事業の種類を以前のままにする
- 管轄変更後の新しい労働保険番号を控えず、旧番号を使い続ける
事業所移転の必要書類を無料で確認する
会社・事業所の住所変更手続ガイドを見るか、無料診断を始めるから、社会保険・労働保険・雇用保険の加入状況に応じて必要な届書を確認できます。診断結果の確認まではログイン不要です。
